フィリピン商標制度の概要
商標とは、商品又はサービスの出所を示し、他人の商品又はサービスと区別するために使用される標識です。名称、ロゴ、スローガン、立体形状、ラベル、包装デザインなど、様々な標識が商標として保護の対象となります。
フィリピンでは、商標権は原則として出願・登録によって取得されます。フィリピン市場への進出やブランド展開を予定している場合には、できるだけ早い段階で商標出願を行うことをお勧めします。
商標登録の主なメリット
登録商標の権利者は、指定商品又は指定役務について、その商標を独占的に使用する権利を有し、第三者による無断使用や侵害に対して法的措置を講じることができます。
また、商標はライセンス、譲渡、フランチャイズなどの商業取引に活用できる重要な知的財産資産でもあります。
「先願主義(First-to-File)」制度
フィリピンでは、先願主義(First-to-File System)が採用されています。原則として、最初に出願した者が商標権を取得します。そのため、ブランドを立ち上げた初期段階で商標権を確保することが重要となります。
登録可能な商標と登録できない商標
- 伝統的商標・非伝統的商標(登録可能): 一般的な文字商標や図形商標に加え、識別力などの登録要件を満たす場合には、次のような非伝統的商標についても登録を受けることができます。
- 立体商標(3D Mark)
- 色彩商標(Color Mark)
- 位置商標(Position Mark)
- ホログラム商標(Hologram Mark)
- 動き商標(Motion Mark)
- 音商標(Sound Mark)
- 非視覚的商標(原則として登録不可): 一方、におい商標(Scent Mark)などの非視覚的商標については、現行制度上、一般的には登録が認められていません。
外国文字を含む商標の取扱い
日本語、中国語及び韓国語などの外国文字を含む商標についても、フィリピンで出願することができます。
- 日本における認識: 一般の需要者が読むことのできない外国文字については、文字というより図形やデザインとして認識される場合があります。
- フィリピンにおける対応: フィリピンでは、外国語部分について翻訳又はローマ字表記(Transliteration)の提出を求められる場合があります。
- 中国・韓国との共通点: 中国及び韓国でも、外国文字の意味、称呼、翻訳又は音訳が審査上重要となる場合があります。
したがって、外国文字を含む商標については、単なる外観だけでなく、意味、称呼、識別力及び先行商標との抵触可能性についても総合的に検討することが重要です。
IPOPHLにおけるディスクレーマー制度
さらに、商標に記述的又は識別力のない要素が含まれている場合、フィリピン知的財産庁(IPOPHL)は、その要素についてディスクレーマー(Disclaimer)を求めることがあります。
- 他国との比較: このような取扱いは、日本、中国及び韓国では一般的ではありません。
- ディスクレーマーの効果: ディスクレーマーを付すことにより、商標全体としては登録を受けることができる一方、記述的又は識別力のない要素については、その部分単独での独占権を主張しないことが明確になります。なお、ディスクレーマーは商標から当該要素を削除するものではなく、商標自体はそのまま登録されます。
出願方法
フィリピンの商標制度は、フィリピン国内の出願人だけでなく外国の出願人も利用することができます。出願方法は主に次の2つです。
- フィリピン知的財産庁(IPOPHL)へ直接出願
- マドリッド制度(Madrid System)による国際商標登録制度を利用した出願
TSUBAME IP Philippines のサービス
TSUBAME IP Philippinesでは、フィリピンにおいて以下の商標関連サービスを提供しています。
- 商標調査
- 商標出願及び権利化手続
- オフィスアクション対応及びディスクレーマー対応
- DAU(Declaration of Actual Use)提出手続
- 更新手続
- ライセンス登録
- 商標ポートフォリオ管理
