使用宣誓書(DAU)制度
概要
フィリピンでは、商標出願又は商標登録を維持するために、商標権者又は出願人は使用宣誓書(Declaration of Actual Use:DAU)を提出する必要があります。
DAUは、当該商標がフィリピン国内において実際に使用されていることを証明するための宣誓書です。
重要な注意事項 所定の期間内にDAUを提出しない場合には、商標出願が放棄されたものとみなされたり、商標登録が取り消されたりする可能性があります。
DAUの提出期限
DAUは、商標のライフサイクルにおいて、一般的に以下の各時点で提出が必要となります。
- 3年目(出願時): 出願日から3年以内に提出
- 5周年(登録後): 登録日から5周年後1年以内に提出
- 更新時: 更新日から1年以内に提出
- 更新後5周年: 各更新日から5周年後1年以内に提出
※注記:これらの要件は、マドリッド制度を利用してフィリピンで保護を受けた国際登録商標についても適用されます。
使用証拠
DAUを提出する際には、商標がフィリピン国内で実際に使用されていることを示す証拠資料を提出する必要があります。
一般的な使用証拠としては、次のような資料が認められます:
- 商品ラベル及び包装
- 請求書及び広告資料
- ウェブサイトのスクリーンショット
- 店舗の写真
- メニュー及びパンフレット
- サービス提供資料その他、当該商標が指定商品又は指定役務について実際に使用されていることを示す資料
一部使用と不使用のリスク
- 使用証拠の範囲: DAUでは、通常、指定されたすべての商品又は役務について使用証拠を提出する必要はありません。もっとも、複数区分にわたる出願又は登録については、各区分ごとに少なくとも1件以上の使用証拠を準備しておくことが望ましいと考えられます。
- 第三者による取消しの可能性: DAUが受理された場合であっても、実際に使用されていない商品又は役務については、不使用を理由として第三者から取消しを請求される可能性があります。
実務上のポイント そのため、出願時には指定商品・指定役務を慎重に検討するとともに、登録後も商標の使用状況を継続的に管理し、使用証拠を適切に保存しておくことが重要です。
提出期限の延長及び不使用宣誓書
- 提出期限の延長: 3年目のDAUについては、期限到来前に申請を行うことにより、提出期限の延長が認められる場合があります。
- 不使用宣誓書(Declaration of Non-Use): 正当な理由により商標を使用することができない場合には、DAUに代えて不使用宣誓書(Declaration of Non-Use)を提出することができる場合があります。
実務上の留意点
DAU制度は、フィリピン商標制度において最も重要な権利維持制度の一つです。
特に外国企業や海外の出願人は、出願後又は登録後にDAUの提出期限を見落とし、権利を失ってしまうケースがあります。そのため、商標権者はDAUの提出期限を適切に管理するとともに、商標の使用状況を継続的に確認し、フィリピン国内での使用を裏付ける証拠資料を計画的に保管しておくことが重要です。
TSUBAME IP Philippines のサポート
TSUBAME IP Philippinesでは、登録後の商標維持管理について、以下のサービスを提供しています。
- DAU提出期限の管理
- 使用証拠の確認及びレビュー
- DAUの作成・提出手続
- 不使用宣誓書(Declaration of Non-Use)に関する対応
- 登録後の商標維持管理に関する戦略的アドバイス
