フィリピン特許制度概要

フィリピン特許制度概要

フィリピンでは、新規性、進歩性及び産業上の利用可能性を有する技術的発明について特許を取得することができます。特許権を取得すると、特許権者は、第三者が特許発明を権利者の許諾なく製造、使用、販売、販売の申出又は輸入することを排除することができます。

フィリピン特許の存続期間は、所定の年金が適切に納付されることを条件として、原則として出願日から20年間です。

公開及び審査の流れ

方式審査を経た後、特許出願は、原則として出願日又は優先日から18か月経過後に公開されます。公開後は、発明の内容が一般に公開され、実体審査へ進むことができます。

フィリピンでは実体審査が必要であり、その手続は出願形態によって異なります。

  • 通常のフィリピン特許出願:実体審査請求は、公開日から6か月以内に行う必要があります。この期間内に請求しない場合、出願は取り下げられたものとみなされます。
  • PCT国内移行出願:PCT国内移行出願については、実体審査請求書を別途提出する必要はありません。ただし、国内移行日から6か月以内に実体審査手数料を納付しなければなりません。期限内に納付されない場合、出願は取り下げられたものとみなされます。

実体審査及び拒絶理由通知(Office Action)

実体審査では、審査官が新規性、進歩性、産業上の利用可能性に加え、明細書及び請求項が法令の要件を満たしているかを審査します。

  • Office Actionへの対応:拒絶理由通知(Office Action)が発行された場合、出願人は所定期間内に意見書及び/又は補正書を提出して応答する必要があります。
  • 補正の制限:補正は認められますが、当初の出願書類に記載されていない新規事項を追加することはできません。
  • 分割出願:一定の要件を満たす場合には分割出願を行うことができます。例えば、一つの出願に複数の発明が含まれていると判断された場合、審査官から分割を求められることがあります。注意: 所定期間内に分割出願を行わない場合、選択されなかった発明について権利取得の機会を失う可能性があります。

早期審査制度

より早期の権利化を希望する場合には、早期審査制度を利用できる場合があります。

  • 早期審査(Expedited Examination):公開後かつ実体審査請求後に申請することができます。
  • 国際的な審査協力制度:他国で対応する請求項が特許可能と判断されている場合には、PPH(Patent Prosecution Highway)又はASPEC(ASEAN Patent Examination Co-operation)を利用できる場合があります。

※審査官が特許要件を満たしていると判断した場合には、特許査定(Notice of Allowance)が発行され、登録料及び公告料の納付後に特許が登録されます。

最終拒絶に対する不服申立て

最終拒絶査定を受けた場合には、以下の不服申立てを行うことができます。

1.第一次不服申立て:第1段階(延長不可)。

最終拒絶査定の発送日から原則として2か月以内に、**特許局長(Director of the Bureau of Patents)**へ不服申立てを行う必要があります。この期間は延長できません。

2.第二次不服申立て:第2段階。

第一次不服申立ての結果に不服がある場合には、その決定書の受領日から30日以内に、**IPOPHL長官(Director General)**へ更に不服申立てを行うことができます。

フィリピン特許における重要事項 ― 年金管理

フィリピンでは、年金制度が他国と異なるため、年金管理が極めて重要です。

  • 納付時期:最初の年金は、出願公開日から4年経過後に納付期限が到来し、その後は毎年納付する必要があります。
  • 日本との違い:日本では第1年から第3年分の特許料は登録時にまとめて納付しますが、フィリピンでは審査中であっても年金の納付期限が到来する場合があります。

そのため、登録前・登録後を問わず、期限管理を適切に行うことが重要です。年金の納付を怠ると、出願が取り下げられたものとみなされたり、特許権が消滅したりする可能性があります。

当所の特許サービス

当所では、フィリピン特許に関するあらゆる手続きをサポートしています。

  • 特許性評価、発明内容の検討及び技術評価
  • 明細書及び特許請求の範囲の作成
  • フィリピン特許出願、パリ条約出願及びPCT国内移行
  • 公開後の期限管理
  • 実体審査請求及び審査手数料の納付
  • Office Action対応(意見書及び補正書の作成)
  • 分割出願
  • 早期審査、PPH及びASPECの利用
  • 最終拒絶後の不服申立て
  • 特許登録手続及び年金管理
  • 譲渡、名義変更及びライセンス登録
  • 特許ポートフォリオ管理

フィリピン特許に対する当所のアプローチ

フィリピンで特許権を取得するためには、単に出願するだけでは十分ではありません。公開後の手続、実体審査、Office Actionへの対応、分割出願、早期審査、不服申立て、登録手続及び年金管理まで、一貫した管理が重要となります。

当所では、フィリピンの知的財産専門家と、日本の弁理士を含む国際的な知財チームが密接に連携し、お客様の事業戦略に合わせた実務的かつ費用対効果の高い特許サービスをご提供いたします。