特許の拒絶理由通知

特許の拒絶理由通知(Office Action)

フィリピンにおける特許出願では、方式審査又は実体審査の過程において、フィリピン知的財産庁(IPOPHL)から拒絶理由通知(Office Action)が発行されることがあります。

拒絶理由通知では、主に以下のような事項が指摘されます:

  • 新規性又は進歩性の欠如
  • 明確性の欠如
  • 開示不十分(サポート要件違反等)
  • 発明の単一性違反
  • その他の方式上の不備

応答期限及び期間延長

拒絶理由通知に対しては、原則として発送日から2か月以内に応答する必要があります。

期間延長:

所定の手続を行うことにより、関係法令の範囲内で期間延長が認められる場合があります。

1.審査中の補正及びPCT国内移行における翻訳上の留意点

審査中は、特許請求の範囲、明細書及び図面について補正を行うことができます。ただし、補正によって当初出願時の開示を超える事項(新規事項)を追加することは認められていません。 フィリピン特許法においても、新規事項の追加は禁止されています。

特に、PCT国際出願からフィリピン国内段階へ移行する案件では、翻訳誤り、翻訳漏れ又は翻訳の不一致が、審査上重大な問題となる場合があります。

  • フィリピン実務と他国との相違:一部の国では、PCT国際出願の原文を直接参照して誤訳を訂正する制度が比較的明確に整備されています。これに対し、フィリピンでは、このような翻訳誤りの訂正について独立した明確な制度は一般的には設けられておらず、通常の補正制度の枠組みの中で取り扱われます
  • 翻訳誤りの訂正に関する実務上の課題:例えば、PCT国際出願の原文には記載されている技術事項が、国内移行時の英訳で脱落していたり、不正確に翻訳されていた場合、その後の補正が容易に認められるとは限りません。実務上は、補正内容がPCT国際出願の原文に十分裏付けられていること、及び新規事項の追加に該当しないことを示す必要があります。

そのため、国内移行時には英訳の内容を十分に確認することが極めて重要です。

2.外国出願の審査結果の戦略的活用

フィリピンでは、対応外国出願の審査結果を活用することにより、審査を効率的に進められる場合があります。

例えば、対応出願について以下の主要特許庁で特許査定又は特許登録がされている場合:

  • 日本国特許庁(JPO)
  • 米国特許商標庁(USPTO)
  • 欧州特許庁(EPO)

フィリピン出願についても、外国で認められた請求項に合わせて補正を行い、利用可能な審査制度を活用することにより、審査期間の短縮、審査コストの削減及び特許取得までの迅速化につながる場合があります。

3.最終拒絶に対する不服申立て

審査官の指摘を解消できず、最終拒絶となった場合であっても、不服申立てを行うことができます。

1.特許局長への不服申立て:第1段階(行政)。

**特許局長(Director of Patents)**への不服申立てを行います。

2.IPOPHL長官への不服申立て:第2段階(行政)。

特許局長の判断が維持された場合は、**IPOPHL長官(Director General)**への不服申立てを行います。

3.控訴裁判所への司法審査:第3段階(司法)。

行政上の救済手続を経た後は、**控訴裁判所(Court of Appeals)**へ司法審査を求めることができます。

日本との制度の違い

日本では、特許庁内の**審判部(合議体)**が拒絶査定不服審判を担当します。これに対し、フィリピンでは上記のような行政上の段階的な不服申立制度が採用されており、日本とは異なる制度設計となっています。

そのため、不服申立てにおいては、フィリピンの行政実務及び判断基準を踏まえた主張・立証を行うことが重要です。

TSUBAME IP Philippinesのサポート

TSUBAME IP Philippinesでは、フィリピンにおける特許審査手続全般について包括的なサポートを提供しております。主なサービスは以下のとおりです。

  • 拒絶理由通知(Office Action)の分析
  • 意見書及び補正書の作成
  • 外国出願の審査結果を活用した審査戦略の立案
  • PCT国内移行案件の管理及び翻訳に関するサポート
  • フィリピン現地特許専門家との連携
  • 行政不服申立手続に関するサポート

当所は、実務的かつ効率的で、事業戦略を踏まえた特許取得・権利維持を支援し、お客様がフィリピンにおいて有効かつ強固な特許権を取得・維持できるようサポートいたします。